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 被害を受けた少年のご冥福をお祈りいたします。

 川崎の中1殺害事件を受けて、学校や自治体レベルではなく、家庭で我が子をどう守るかについて書きました。

 少しでもご家庭での不安を無くす為にも、事件の再発防止の為にも、勝手ながら意味を持たせるためにも。

 私自身の子どもの頃と、親となって息子がイジメを受けた経験から、考察しました。

 メディアはLINEや学校や自治体について報道しているけど、我が子を守るのは親の一番の役割。だから、他人任せにせずに、お互いが子どもと向き合う事が大切だ。

 模範解答なんてないけど、私の考えと、中島家のやっている事が、あなたの不安を減らせたなら、子どもを守るヒントを得られたのなら、嬉しいです。

・子どもの相談相手は先生?親?友達?

 思春期の子どもに限らず、幼少期の子どもだって本心を話す人は少ない。誰が悪い、って事じゃなくて、そういうものです。だって、あなたに本心を話せる相手、何でも相談出来る相手いました?その悩みを解決できる相談相手がいましたか?

 相談する相手は、親でも先生でも友達でもいいけど、それが出来る人もいるかもしれないけど、そうでない事の方が多い。

 私だって、信頼して相談出来る先生なんていなかった。家庭での事や学校での事で悩みはあったけど、ステキな先生はいたけど、相談をしようとは思わなかった。熱血な先生が好きで立派な先生もいたけど、話したらすぐに事が大事になりそうで怖かったし、それ以外の先生は口先だけだ、と信頼すらしていなかった。

 親に相談?とんでもない!!私は母子家庭で育って兄弟が4人もいたから、とてもじゃないけど親に心配をかけることは出来なかった。

 息子がイジメを受けたとき、すぐには教えてくれなかった。助けて!と言えずに、暴れるといった行動でサインを出した。

 それまでに息子と対話を繰り返し、何でも話せる関係が出来ている、なんて思い込んでいたから悲しかったし、苦しくも、すぐに気付けなかった自分を責めた。

 親だから!先生だから!なんて誰かに任せるよりも、何でも言ってね!なんて子どもに頼るよりも、相談出来る相手を子どもに用意するのが、いいと思う。特に幼少期から、思春期に入るまでに。

・子どもの交友関係は、管理出来ない。

 小学校くらいまでなら友人のコントロールは可能だろうけど、結局無理だよね。息子の交友関係や行動だって、全ては把握していない。隠れて悪して迷惑かけている事もあるだろうし、謝罪した事も何度もある。

 取り返しがつく子どもの悪さは、よいと思う。そりゃあ、やらない方が良いけど、そこから学ぶ事の方が大きいと思ってます。失敗出来る環境で、失敗して、叱られて、経験して学ぶ事も大切だ。

 把握したいって親御さんは多いけど、いつまで把握したいんだろう?中学?高校?大学?社会人?結局さ、把握なんてできないんだよね。私が子どもの頃には、把握なんてされたくなかったし、親に言っていない秘密なんて沢山あった。

 それでも事件を起こさずにここまで来れたのは、日常での躾や教育があったからだろう。日々の対話や、責任の持たせ方、価値観の醸成があれば、大丈夫。

 子育ては、準備。中学生で手放すなら、小学生から準備が必要だ。親離れさせる準備、子離れする準備。出来る範囲で、子どもを信頼して、手放して、出来る範囲を広げて行く。

 正直、マジか〜って思う事もあるけど、子どもを信頼して、でも対話を続ける事が大切だよね。

・LINEで相談出来る相手とつながっている

 中島家ではLINEを使っている。無料だし既読もつくから、親としての安心のために。

 息子は携帯を持っているけどプリペイド式なので、ネットにはつなげない。家ではwifiのIpadを渡している。スマホを渡していないので、自分勝手に友達は増やせないけど、知らないアドレスがあったりする。

 使い方は話していて、ルールも適宜変えている。私がして欲しい事、息子がやりたい事、色々とその時の環境に合わせて、変えている。

 そして、中島家の場合は、私の信頼出来る友人のLINEと息子のLINEがつながっている。息子とも、その友人とも話をしてあって、何か合ったら相談する相手を用意している。

 そうやって準備をしているからこそ、何か合った時に相談出来る。実際にその相談相手から連絡を貰った事もある。まあ、相手は私で、親子ケンカしての相談だったけど、ちゃんと相談してくれて嬉しかった。

・メディアだけでなく、実際に学校で起きている!

 TwitterやLINEのトラブルは、テレビで取り上げられる世界の話ではなく、柏崎市でも起きている。普通に。もちろん程度はあるけどね。

 実際に、私の塾生からも相談を受けている。

 親には秘密にしてもらいたいんですけど、と前置きされて高校生から受けた相談は、Twitterでの事だった。
 イジメに該当するような内容だったけど、正直、たいしたことないな〜と思った。でも当事者は傷付いているし、怒りで震えていた。塾生に寄り添い話を聴くと感情も落ち着いて、冷静に今後の対策を話して、スッキリして帰って、それでおしまい。1週間後には、話題にもならなくなった。

 警察にいったほうが良いですか?と高校生の親御さんから相談を受けたのはLINEでの事だった。
 ん〜これは悪質なイジメだな〜と思ったけど、私と親御さんと塾生で話し合って対策を協議した。学校への関わり等の方向性を出して、それが落ち着くまでカウンセリングで塾生と親御さんをサポートして、時間が経って解決して、おしまい。

 相談者は、恥ずかしかったりで話せない事が多いし、勇気を持って話し手も、一般論や両成敗的な言葉で傷付いていると、そこで止まってしまう。

 私は自分の息子がイジメを受けたから、わかる。イジメを止める事、子どもの居場所を作る事、が大切だ。でも大事にしたく無いとの思いもわかるから、対話して今後の流れを明確にすると、多くの場合はそれだけで悪化せずに解決する。

 今までは、川崎の事件のような悪質さは無かったけど、初動をしっかりと行えば、大事にはならない。親も子どもも、悩み苦しむ時間を短く出来る。

・親が出来ない事は、誰かに任せよう!

 子どもの成長により、親の関わり方は変えて行く必要がある。手放していく必要がある。

 でも、今は人とのつながりが減っているから、子ども達につながる環境をつくるのも親の役割だと思う。

 それは学校の仕事!と人に任せるだけでも、外は危険だから!と家の中に閉じ込めても、子どもは守れない。

 家庭内で対話をする事もそうだし、友人や親戚との対話もそう。あ、もちろん子どもがその人を信頼出来るかどうか?が大切で、必ずしも親の思惑通りの関係性は作れないかもしれないけど。それでも、子どもが信頼し相談出来る相手を作って欲しい。

 社会が大きく変化する今、私達親が受けて来た子育てでは対応しきれない。親が全てを抱えるのでも、学校に任せっぱなしにするのでもなく、もっと別のやり方が必要で、それが子どもを守り、そして自由に楽しく生きる事につながっていると、確信しています。

 息子がイジメを受けていた時に、大阪での自殺事件がありました。彼のおかげで、学校や教育委員会の対応が早く、息子は自殺せずにすみました。
 今回も、彼のおかげで多くの子ども達が救われて欲しいと思っています。