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「幸せになる勇気」著者:岸見一郎、古賀史健

 親と教育者に読んで欲しい!
読んでもスッキリしないけど、未来の自分へ種まきしよう!

 「幸せになる勇気」は、ベストセラー「嫌われる勇気」の続編。色も前作の青と今作の赤、見た目も対比していてわかりやすい。内容は、前作と同じように、成年と哲人との対話形式で書かれています。

 カウンセラーとして、教員サポーターとして、学習法指導者として、行動して来た事が書かれてました。アドラーを学ばれた方から「アドラー学びました?」なんて言われたり本を数冊読んだくらいだったけど、前作以上に(成年が教師となったからかも)ですよね!なんて思いながらペンを片手にページをめくっていきました。

 知識や経験、主張の裏打ちが出来て、とても良かった!
「教育の目的は自立」なんてそのまんまだし、人のしくみについて別角度から書かれていて納得感も高い。社会で生きるために役割としての「分業」。

 一番ヒットしたフレーズは「彼らはほしいものすべてを与えられる黄金時代に生きてきた。十分長く泣き、十分講義し、協力することを拒めば、再びほしいものを手に入れられるだろう」だ。赤ちゃんから保育園小学校、中学校と進む過程での家庭内や学校のトラブルはココだよね。もう黄金時代が終わった事をどう伝えるか理解させるか、が子育てにも教育にも大切で、それが「未成年から成年への成長」なんだよね。

 特殊な専門用語は少なくて読み易いけど、読み解き易い訳じゃないのも前作と同じ。読み終わってもスッキリなんかしないよね。誰が読んでも、いいね!ってわけじゃないと思う。でもね、多くの人に読んで欲しい。特に人と関わる親や教員、カウンセラー等の人達に。

 「こうしたらいい」「こうしちゃいけない」なんて答えは書いてないけど、大きく変化している今だからこそ読んで欲しい。読んで悩んでモヤモヤして欲しい。
 答えは今出るわけじゃないけど、これから学び経験して行く事で、芽吹く時が必ずくるから。