思考の筆算のススメ〜思考を筆算するという事〜

 自分自身が「記憶力を高めたい!頭の回転を速くしたい!もっと、頭良くなりたい!」との思いから10何年前に始めた、マインドマップ。

 今では、公認のインストラクターとして講座を開催していますが、新潟県外からの講座の依頼が一番多いのがマインドマップです。

 今月末から依頼をいただき、新潟県上越市9月30日の夜、長野県長野市10月20日の午後とマインドマップの講座を開催します。

 私と同じように感じて「マインドマップ学びたい!」と言っていただく事が多いのですが、ぶっちゃけ、マインドマップじゃなくてもいいんです。頭が良くなりたい!と思ったら、思考の筆算をするのが最短距離です!

 今回は、私の好きなマンガでありアニメの「ベイビーステップ」を題材に、思考を筆算する事の大切さ3回に分けてお伝えして行きます。

 第1回「思考を筆算するという事」
 第2回「あなたは暗算派?筆算派?」
 第3回「日常に筆算を活かす」

 スポーツと仕事とか関係ないじゃん!いえいえ、おおありです!なぜなら、どちらも実際に行動するのは、あなた自身だからです。そして、マンガやアニメと、活字との学びの差はありません。自分の学びやすきに学び、あなた自身の可能性に気付き、職場や家庭で活用し、もっと自分を好きになって欲しいと思っています。

ベイビーステップ
勝木 光
週刊少年マガジン 連載中 最新刊36巻
http://www.shonenmagazine.com/smaga/babysteps
週刊少年マガジンHP
NHK Eテレにて10月3日(土)午前1時から再放送スタート!
http://www9.nhk.or.jp/anime/babysteps/

 知っている方も、知らない方もいると思いますが、カンタンに説明すると「成績オールAで几帳面でマジメな主人公エーちゃんが、高校進学を機にはじめたテニスの魅力に取り憑かれ、今まで勉強で培って来たノートを書く事で急成長して行く」物語です。

 主人公の才能と言えば「目がいい」「真面目で反復練習好き」「常に考えている」「気付きや学び経験をノートにかく」くらいで、マンガでありがちなスゴイ特殊能力や身体能力は、持っていません。そのエーちゃんの、今までのスポーツマンガと違った、こつこつ考えてノートにかき出す事で成長するストーリーです。

 マンガもアニメも、そこらへんのビジネス書や自己啓発本よりも、内容が深い!特に思考と行動の関係性は秀逸ですので、活字はちょっと・・・と言う方でも、カウンセラーやコーチといった人の成長に関わる方にもオススメです!

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 心理面から見た、エーちゃんの成長分析!

 エーちゃんは、テニスを初めて2年で全国大会に出場しています。マンガだから?というのはカンタンですが、心理学的側面から分析するとともに、思考を筆算するメリットをお伝えします。

 そもそも、学びだけでは行動出来ない

 エーちゃんは生真面目で、反復練習が得意なのもありますが、それだけでは全国大会へは行けません。なぜなら、小学校や中学校から始めた経験豊富な人もいれば、エーちゃんよりも身体能力に優れた人ばかりだからです。

 そんな人達の成長を越えて、自分を成長させて行くためには「学びを行動に移すまでの時間を短縮する」必要があります。

 人は、学んだだけでは行動にうつせません。テニスでフォアのフォームを教わっても、実際にそのように体を動かすには、反復練習や大会での経験、イメージトレーニング等で「思考と行動のつながりを強化する」事が必要になります。エーちゃん意外の人達は、実際の経験を積み上げて、今の実力を手に入れました。同じように経験して行くには、練習時間をいくら増やした所で、物理的な限界があります。
 
 
 もっとうまくなりたい!プロになりたい!

 その時間を短縮して行くために「目標」を定め、どう達成するか「思考」し、「行動」して、そのギャップを埋めるために「思考」して「行動する」をくり返すのが重要です。

 最初のえーちゃん「うまくなりたい」との思いから、ノートをとっていました。その後、初めて大会に出場して「勝ちたい!」に変わり、「プロになりたい!」と目標を一歩一歩高めて行きました。

 そして、その掲げた目標に向かって、思考と行動をくり返していったのです。

 大切なのは「ノートをとるのが目的ではない」事です。思考を筆算するのは「手段」でしかありません。

 より効果的に思考し行動するために「ノートにかくという筆算」を行っているんです。

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 思考を筆算する事で、学びと行動のつながりを強化する

 エーちゃんは、練習時も試合の合間にも、ノートを書きます。書く内容も、コーチに言われた事や気付いた文であったり、フォームやラリーの展開といった図と、多岐にわったっています。

 考えている時の頭の中は、スマートフォンに似ています。複数のアプリを使っていたり、地図や動画といった重いアプリを使っていると、全体の処理速度が遅くなってしまいます。

 なのでかき出す事で、頭の中のアプリを減らすように、頭に浮かんでいる事を書き出す事で、さてどうするか?と考える余裕ができて来ます。

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は暗算出来ても、

 128×837=

は暗算では難しい。でも多くの人にとって、筆算すれば解けますよね。

 かけ算と同じように、コーチに言われた事や練習での学び、試合での気付きと、エーちゃんは多くの情報を受け取っています。

 そのままでは処理しきれないから、ノートに書く事で、頭の中を整理し、思考の質を高めているんです。

 冷静に情報と向き合い、分析できる

 実際に書き出す事で、その知識と経験の追体験を行えます。その時は処理しきれなかった情報が「何でなのか」「どうしたら良いか」を落ち着いた状態で、冷静に分析する事ができます。

 ざっくり言うと、その知識と経験が、かけ算で身に付ける事が出来ます!だから時間が短縮出来るんです!

 考えながら行動したんでは、間に合わない

 アニメのシーズン2(再放送される)では、ゾーンについても描かれています。ゾーンの定義は色々ありますが、ここでは「理想とする行動を、無意識で行動出来る」と定義します。

 エーちゃんは練習中も、試合中も、常に考え続けています。ですが、強敵と試合をして行く中で、無意識にプレーした方が良い結果が得られる事に気付きます。ただ思考を空っぽにするのではなく、プレーの直前まで思考し、始まったら無意識の自分を信じてプレーする。その成果が全国大会への出場や、神奈川県2位の成績へとつながりました。

 スポーツに限らず、人は無意識で行動しています。よく「考えて、しゃべりなさい!行動しなさい!」なんて言いますが、その時に考えたのでは、遅いんです。

 事前にどれだけ考えるか、どれだけ準備しておくか、が大切です。こーなるかも、あーなるかも、こーきたらこーして、とイメージトレーニングが思考を行動へつなげるもう1つの方法です。

 そんなイメージトレーニング(考える)を、多くの情報を暗算するのではなく、筆算して可視化する事で、一度に多くの情報を処理し、より効率的に行えます。

 マンガだけど、理にかなっている

マンガだから!と言うなかれ、今までのスポーツマンガの中では、一番特殊能力のないマンガです。同じテニスのテニプリと比べれば歴然です。

心理面から見ても、理にかなっていますし、ぜひ、マンガとアニメと見て欲しいと思います

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。「思考を筆算するって良いのかも?」って思って頂けると嬉しいです。

 残念ながら、学校教育ではその方法は教えてくれません。もちろん教えてくれる素晴らしい先生はいますけど、やっぱり特別なんです。

 あなたが学校で使って来た方法があれば、それを試すのも良いと思います。

 でも「思考の筆算て言われてもな〜」と思われるなら、マインドマップの講座で体験してみてはいかがでしょうか?

 では、次回「あなたは暗算派?筆算派?」でお会いしましょう。

*画像について関係者の方がいましたら、削除しますのでご連絡下さい。