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 過去の痛みやわだかまりを乗り越えて、思春期の子どもとわかりあえる!

 先日の第五回子育て講演会で、私の今までとこれからの子育てについて話をさせていただきました。

 家庭内教育アドバイザーとして「中島家で実践した事を伝える」事をモットーとしています。ただの理想論や知識だけを伝えるのではなく、自分が子育てについて学び、実践してきたからこそ、日々の子育てに悩み考え行動しているからこそ、受け止められるんです。

 小学校に上がる前からの、父子家庭で親族が新潟県内にいない生活も七年目を迎え、息子が希望した公立の中高一貫校に合格し、2人の関係も次のステージへ進みました。

 でも、2人暮らしだからこそ、お互いに多くの葛藤がありました。キレイごとばかりではなく、大声で罵り合った事なんて数えきれません。離婚によるココロの傷や、いじめを受けた傷、日常の中でのすれ違いや、学校や仕事での環境変化や、お互いの甘えが、お互いを傷つけてきました。

 昨年末から、息子の自立へ、子どもからパートナーへと多くの対話と摩擦を繰り返して、少しずつ前に進んできました。

 それは困難な道で、2人暮らしだからお互いに逃げ道も無く、進めば進む程、2人の距離が縮む程、傷つけ合ってきました。

 そてでも、諦めずに届くと信じて、対話を繰り返して来ました。

 私自身の考えや関わり方を変えるのはもちろん、息子の過去の傷を癒して1つの壁を乗り越えれば、次の壁が立ちはだかる。これで終わりかな?と思ってまだまだあって、ココロに深く潜るから、反発も大きくなる。

 離婚やいじめを起因とした事を1つ1つ2人で乗り越えて来た。

 最後に残ったのが「自我」だった。父親を認めているけど認めたく無い気持ちが、話をきかなかったり、約束を守らなくても謝れなかったり、わかっちゃいるけど出来ない、なんて事が最後の砦だった。

 約束を守らない事ではじまった大げんかで、日をまたいでの大げんかだったんだけど、最後に息子が、

 「父ちゃんの言う事を聞いちゃいけないんだ!父ちゃんに囚われたくないんだ!自分で考えて行動しなきゃいけないんだ!」

 やっと言ってくれた息子の声を受け止めて、じゃあ任せるから解決して、と伝えた。

 「まずは、約束をやぶってごめんなさい」

 一番に出た言葉が、素直な謝罪だった。

 「ボクは謝れないんだ!謝りたくないんだ!」なんて言ってたのに。その後に続いた言葉も、しっかりと目を見据えて、意思のこもった言葉だった。

子:押し付けられたく無い。でも教えてほしい
父:なるほど。じゃあ、オレがやって欲しい事をリストにして渡す?言葉で伝えた方が良い?
子:ん〜リストがいいな!
父:わかった。リストにしてわたすわ〜
  あとさ、やって欲しい事をやって無かった時はどうしたらいい?もちろんやるんだろうけど、準備したくてさ
子:ん〜そうだよね〜でも直接言葉で言われたく無いな〜
父:ん、そうだよね〜まあ、ちゃんとやるだろうから、したら、その場では言わないから、週イチで報告会するってどう?
子:うん!いいね!

 その後は息子は機嫌が良くて、テンションも高くて、笑顔だった。

 ケンカの原因の1つだったアイスホッケーの練習へ行ったときも、その気持ちは継続していて、今までだったらオレの指摘に怒っていたのに、前向きのアドバイスとして、受け止めていた。

 帰って来た後に、疲れた〜寝るわ〜と言ったので、防具ちゃんと干して!と言ったら、あ、そうだね!と反発せずに受け止めた。

 気付いてしまえば、今までの事がうそのようになる。

 思春期は、子どもの自我が成長し、親の保護から旅立つ時だ。自分のしたい事がみえてくるから、親の行動に反発する。それは成長の証なんだけど、辛く悩ましいその期間を短くする事は、できる。

 他人よりも、身内の方が大変だ!お互いに甘えがあるから、対話にならない事が多い。

 でもね、お互いに学び成長していけば、その壁を乗り越えて次のステージへ進める。中島家も次のステージへ進む事が出来たから、もっと多くの家庭の子育ての悩みを解決する事が出来る。