クライアントさんに何度も伝えているし、自己肯定感を高める講座でも伝えている事ですし、有名な知識でもある「ないはない」。人の脳は「ない」という概念がありません。

まずは最初に質問します。

「白い犬を想像し無いで下さい」

どうでしょうか?
白い犬を想像しませんでしたか?

人の思考の流れとして、まず「白い犬」想像して、それをかき消す様になります。

「ある」の反対として「ない」があります。

子育てや、子どもに注意する時も同じです。

「走らないで!」
「うるさくしないで!」

こう注意しても、行動を止められません。
むしろ行動する様に言っているのと同じなんです。

このしくみは、子どもが小さいほど、影響が出ます。
大人は思考が発達しているので「ない」の言葉を聴いても、行動に移す前に言われたことの意図を理解します。
ですが、小さい子ども達は、思考よりも行動が優位になり、意図を理解せずに行動します。

ある保育園での話。

・初めての砂場遊び

先生1 今日は1歳児の初めての砂場遊びですね
先生2 今までは事前に注意事項を子ども達に伝えていたのですが言わなくていいんですか?
先生1 前の先生はどんな事を言っていたんですか?
先生2 砂を投げない、砂を食べない、とかですね
先生1 ・・・(ないばっかりだ)わかりました注意しましょう

先生1 みんな〜今日は初めての砂遊び!みんなで楽しく遊ぼうね!
先生2 ・・・(え?それだけ??)

先生2 (こっそり)砂を投げちゃダメだよ?
園児1 ・・うん

園児1 (この子だけ砂を投げる)
先生2 砂を投げちゃダメって言ったじゃない!

先生2 みんな楽しそうだったし、今年は砂を食べる子居なかったですね!
先生1 そうですね(そりゃあ言ってないから行動しないよね)

・教室での出来事

先生1 どうしたんですか?
先生2 子ども達がいうこと聞かなくて困ってます
    同じ事を何度も注意しても、同じ事繰り返して・・
先生1 もっと子どもを信じて良いんじゃないですか?
先生2 でも、それじゃあちゃんとやりませんよ!

先生2 いいですか?椅子の上に立ってはいけません!
    走り回ってもいけません!
    おしゃべりしてはいけません!

子ども (椅子の上に立ったり、走り回ったり、おしゃべりしたり)

先生1 ・・・(うん、子ども達は言う事きいてるよ)

「そんな事あるの!?」
と思ったら、周りを見渡してください。教育現場で働いている方なら、他の先生方の言葉を観察してください。そうでない方は、スーパーや公園等でのお母さんが子どもに言っている言葉を観察して見てください。あ、もちろん職場での後輩等への指導の時も同様です。
して欲しくない言葉を言っている人がどれだけ多いか、その言葉の言う子をちゃんときいている子ども達の行動を、観察して見てください。

して欲しくない行動を伝える事は、して欲しくない行動をうながす事になってしまうので、言わないのが一番です。
本当の一番は、して欲しくな事ではなく、して欲しい行動を伝える事です。

「砂を投げる」や「砂を食べる」のを辞めさせたければ、その事を伝えずに、「みんなで楽しく遊ぼう」として欲しい行動を伝えましょう。して欲しくない事は言わない、とても大切な事です。

立場的に注意事項を伝えなければいけない時でも、最後は「して欲しい行動」をしっかりと伝えましょうね♪