昨日の午前中の電話セッションで、夜のアドバイザーをしている「ゲートキーパーまめしてら」さんで、似たような話が出たので、ブログを書きました。

まず最初に、私は精神科の先生ではありませんので医療としてのアプローチを求めている方は、以下の文章は読まないで下さい。
ですが、プロのカウンセラーとしての見解や、違う見方を求めている方は、ぜひご一読いただきたいと思います。

「精神疾患を抱え悩み苦しんでいる人がいて、その人を行政系や医療系の施設を紹介しても、行きたくないって言うんです。どうしたら良いですか?」

こんな質問をいただきました。私の答えは「本人の意見を尊重して、連れて行かなければいいんです。見守り続けてあげて、相手から求めてきたら、本人の意思に寄り添ってあげてください。」でした。

さて、精神疾患の方でも悩みを抱える方でも、そんな方のゴールはどこなんでしょうか?

精神疾患というと「治す」と考えられますが、そもそも完治という概念がないと考えています。

薬を飲んでいなくて健康的な生活を営んでいる人でも、いつもポジティブに生きている人はほとんどいません。あなた悩みないでしょ?と言われる人でも、様々な悩みを抱えて、それらに折り合いを付けて生きているんです。

「元の状態に戻る」と言ったって、短期的に強度のストレスにさらされた方では可能です。ですが長期的に継続している方には「戻る元」がないんです。幼年期の環境が良くないのが原因であったとしても、幼年期に戻ってやり直すことはできませんから。

では、どう関われば良いのでしょうか?

まず知って欲しいのが、人が前に進む時に必要になるのが「自己決定」です、それを阻むのが「変化を嫌う心のブレーキ」です。

自己決定の反対が「他者依存」です。

親が悪い、社会が悪い、一面的には正しいですが、それだけでは前に進めません。過去の結果としての今ではなく、今の環境や過去の出来事を受け入れ、未来からの今と考える事で前に進めるようになります。

そんな自己決定をしても、実際に行動するとなると心のブレーキが強く踏まれてしまいます。

なぜなら「人は未知への恐怖が一番怖い」んです。

昨日と同じ苦しみを今日受けるのは耐えられても、未知の経験をする事で想像する恐怖は耐えられないものなんです。相談する人が、今までから一歩前に進みあなたに相談できるようになっても、今の生活環境に変化が起きるような行動にはブレーキがかかる事を知ってください。

それをやれば良くなるのに!との想いは、相談する人にとってはネガティブと受け取られる事があるのを知ってください。

人の成長には波があります。上がることもあれば、下がることもあり、停滞するときもあります。
停滞は前に進んでいない時でなくて、前に進むためのエネルギーを貯めている時なんです。
未知への恐怖を乗り越えるために、心のブレーキを緩めてアクセルを踏み込むタイミングを探しているんです。

自分の関わりが足りないから、ではなくて、相談されている方に寄り添い、やる気がでるまで気長に待ちましょうね♪

そう伝えました。

考え方は人それぞれで、相手の考えや環境に変化するため、正解はありません。
でも、大切なのは本人の意思であり、それを尊重して寄り添い、見守る。これは真理だと考えています。